2008年8月8日

「公僕」 その在り方と日本の民主主義

巨額年金基金を費やしたことで知られる「スパウザ小田原」
日本は優秀な技術と人材に恵まれている国であるが、現状ではそれを活かしきっていないばかりか、それを阻害するような政策も見て取れる。先進民主国中、一番多くの公益法人を設立し、巨額の国家予算が飲み込まれている。「公僕」として、国民生活の向上を使命とする行政が、自らの利権を守ることを最優先し、国民が選んだはずの政治家までもがそれを手助けしている。

日本は、世界で最初に外から民主主義を持ち込み、一定の成功を収めた国として他国から一定の評価はある。しかし国民自らが民主化を勝ち取った他の先進民主国とは異なり、政府主導の下、政府・行政に都合の良い民主主義を敷いてきた。その弊害が今、大きく表面化し始めている。

この弊害は国民生活を脅かす存在である。これについて国民は義務教育レベルで学び、それが日本国の最大の弱点であることを国家全体で共有し、改革を推進する必要がある。5年、10年先を見越した経済対策も重要であるが、第一に自らの弱点を克服しない限り、現在のような粗悪な社会が世代を超えて繰り返し訪れることになる。国、他人を信用できず、常に将来不安が付きまとう社会から抜け出さなくてならない。

世界で最初に、外から民主主義を持ち込んだ日本。残念なことに、このまま政治・行政・業界が持つ利権構造の改革が遅れれば、世界で最初に「民主主義を失敗」する国へとなりかねない。「民主主義」から「民主国」への進化が、日本にとって第一の課題である。