2009年12月17日

心の豊かさと自己防衛


沖縄米軍基地再編に向け、政府の対応が揺れている。これまで当たり前のように、日本の安全保障を米国に委ねて来た日本。その弊害とも言うべき、国家の安全に対する国民の認識が非常に軽薄である。国内のミクロな価値観ばかりに囚われている日本の社会は、先進国グループにおいて特異な存在でもある。

日本国民は時に米国に憧れ、時に米国を悪と扱う。米国との政治的な距離を感じる人も少なくないかもしれないが、米国なしに日本は自国の安全保証すら消えてしまう。そのような日本の構造をもう少し真剣に議論するべきではないだろうか。自己の住むマンションの警備を、金を払ってセコムに任せることは聞いたことがあるが、日本ほどの規模の国が、自国の警備に金を払って外国に任せることなど聞いたことがない。

少し大げさかもしれないが、日本の国家存亡に係わり得る重要な課題である。これを議論する特別教科を、小学校教育に設けてもいい程であると私は思う。またメディアも、日本文化の醜態とも言えるバラエティ番組のウェイトを少しは下げ、日米関係、日米安保について語ることに、もう少し時間を設けてもいいのではないか。

今後とも人口減少、デフレが加速する日本において、他国への依存を国家運営の基礎としている現状は非常に危険である。 ちょうど親から離れらない子供が、自我に目覚めることがないようにである。このままでは一国の誇りと、人々の本来の心の豊かさを失いかねない。

仮に今後も米国依存を継続するのであれば、合衆国第51の州(プエルトリコに続いて第52の州でもいいが)となることを米国に願い出るのも、これまでの日本の政治・経済を考えれば、必ずしも悪いことではないかもしれない..。