2010年4月4日

3G入植 ― ECOlonization


植民地化と言えば、自国領土を広げようと、他国の一部または全土を侵略、占領することであるが、これが20世紀後半になると時代は変わり、対価を支払い外国領土の使用権ならぬ「占領権」を得るという動きに変わってきた。自国領土の小さい韓国などは、アフリカに広大な農地を得る契約を現地政府に取り付けたが、欧米の猛烈な批判にあい契約を撤回したことが記憶に新しい。現在の中国政府も同様のことを始めているが、異なるイデオロギーを持つ国家への遠慮からか、あるいは自国経済にとって重要な位置付けにあるからか、欧米諸国は韓国の時ほどの猛烈な反発を見せていない。これを「植民地・第二世代」と呼ぶならば、3G植民地、すなわち第三世代植民地は、「エゴロジー」とも揶揄されるエコロジーではないだろうか。
「地球を救おう」との大義名分の下、先進各国政府は、新興国、発展途上国にエコロジーを押しつける。この「押し付け」は、先進各国自らは安全、衛生的かつ、物資的に豊かな生活を確保しつつ、新興国、発展途上国民には生活水準の向上を阻害しかねないレベルでのエコロジーを押し付ける。
これが求めるものは、先進各国が独占的に保有するEco技術を巨大市場になり始めた新興諸国に売りつけるところにある。いやいや、その技術を売りつけるならまだいい、技術は特許で保護しながら、その技術を使用して生産する商品を長期間に渡り売り続けるのである。ちょうど発展途上国に伝統的な農業より効率的な農法があると言い、その農法に必要不可欠な品種改良された種と苗を永遠に売りつけていくのと同じ構図だ。
過去においてはもちろんこと、現在も先進諸国はこの地球を汚染し続けている。それは他でもない自らの更なる生活水準の向上と、より多くの富を得ようとする強欲さによるものである。これはまさに「エゴロジー」だ。「衛生的で快適な生活」を第一に考えることは人としての極自然な願いだ。これを求めることは新興・発展途上国民にも与えられた当然の権利である。
先進各国はその政治的、経済的、技術的な優位性を振りかざして自らのイデオロギーを満たし、同時にエコ商品・技術を売り続けながらも、自分達と同水準の生活を求める新興・発展途上国民の権利を奪おうとしている。これは「現代版植民地化」に他ならない。
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