2015年6月21日

「金・銀信望投資家」が望むゴールドスタンダード回帰― SDR入りする人民元 2/3


OPECからOGECへ?

リーマンショック以降、「金本位制回帰」が以前にも増して言われるようになった。しかし資源を巡って殺戮を繰り返す人類が、今さら「金争奪戦」に回帰するだろうか。

仮にそうなれば、世界の「富裕国マップ」に大きな変更が加わる。保有量ダントツの米国は、公表値が事実なら、他国が少なくとも半世紀は追いつくことのできない富を既に手にしていることになる。中国へも追い風となり、膨大な埋蔵量を誇る豪州や南ア、ペルー、モンゴル、北朝鮮などが富国入りを果たすだろうか。

これまで大まかなモノの値段は、石油の取引値によって推移してきた。人類が火を使って以降、「熱」、すなわちエネルギー利用が人間社会の発展に深く関与し、その利便性を飛躍的に高めた石油がモノの価格の「起点」になっている。

2015年6月19日

世界の金融システムに新たなステージ ― SDR入りする人民元 1/3


■新SDRを前に自由化される人民元

2015年はSDRの内容を再確認する年にあたる。IMF5年毎に、その構成通貨と比率を見直していて、今回は、2010年には見送られた人民元のSDR入りが言われている。

AIIBや一帯一路構想に見られる通り、この先も人民元の影響力は増す方向にある。人民元のSDR入りは、先進各国が中国との不毛な対立を避けるのと同時に、SDR基盤強化への貢献が期待される。

次世代SDRが発効されるのは20161月。それに向けた取り決めが今秋予定されているが、そのIMF会合に先駆け、人民元の自由化があるだろうか。