■OPECからOGECへ?
リーマンショック以降、「金本位制回帰」が以前にも増して言われるようになった。しかし資源を巡って殺戮を繰り返す人類が、今さら「金争奪戦」に回帰するだろうか。
仮にそうなれば、世界の「富裕国マップ」に大きな変更が加わる。保有量ダントツの米国は、公表値が事実なら、他国が少なくとも半世紀は追いつくことのできない富を既に手にしていることになる。中国へも追い風となり、膨大な埋蔵量を誇る豪州や南ア、ペルー、モンゴル、北朝鮮などが富国入りを果たすだろうか。
これまで大まかなモノの値段は、石油の取引値によって推移してきた。人類が火を使って以降、「熱」、すなわちエネルギー利用が人間社会の発展に深く関与し、その利便性を飛躍的に高めた石油がモノの価格の「起点」になっている。