2009年1月14日

石油依存型社会 もはや整合性はない

アメリカは強大な軍事力を用いた大国主義国家である。日本のマスコミは一貫してそう報道する傾向がある。マスコミのこのような論調のため日本にいると想像もつかないことかもしれないが、一般的にLiberal層の米国民は「強いアメリカ、大国としてのアメリカ」を望んでおらず、逆にアメリカは「世界の一メンバーであるべき」と考えている。

軍事、経済、政治力で他国を従わせ、各国固有文化を脅かすアメリカの在り方を恥じる米国人は決して少なくない。よって今回の大統領選での民主党の勝利、しかもオバマ氏のような強い民主性を持った大統領の登場は、これからの米国を多くの米国民が望んでいた形に作り上げ、ひいては世界の在り方も変貌を遂げていくことであると期待するところである。ではなぜ、アメリカがつい最近まで大国主義を敷くブッシュ政権を支持して来たのか。それはやはり宗教票に他ならない。(参照:経済ワールドシリーズ プレイヤーは復活を遂げる「アメリカ」と長い眠りから覚める「中国」できまり!

日本のように事実上、官僚が実権を握る国の政治に慣れてしまうと、「一国の方向性は、政治ぐらいで早々に変わるものではない」と考えてしまいがちであるが、日本より政治と国民の距離が遥かに近い他の先進民主国では、「国家の体質・方向性」は新リーダーのもと数日の間に大きく変わるもである。今回の米国政権交代には、経済危機も手伝って国民が共通の目標に向けて一丸となることにより、あっという間に国の在り方を変貌させる環境が整いつつあると感じている。

オバマ政権が掲げるグリーンニューディール政策において、政権発足直後から代替エネルギーに切り替わるというようなことはないわけであるが、私は評論家や専門家が予想しているよりも相当早い時期に切り替わっていくと見ている。

具体的に言えば、自家用セダンおよびファミリーカーのゼロエミッションカー新車登録比率が50%を超えるのに5年、代替エネルギーが主流になるのに20年を要さないと見ている。日本の政治がアメリカの顔色をうかがっている間に、既に先進諸国での代替エネルギー導入は大きな飛躍を遂げており、国民の環境意識、期待値を含めると日本の遥か先を歩んでいる。

昨年までの原油高とその後の価格暴落は、「原油価格が一定額を超えると世界経済は成り立たない、整合性をもたない」ということを証明している。20年後には新興国12カ国が、一日の自動車使用に必要とする量の石油だけで、現在の世界の一日の石油生産量を超えるというデータもある。これが事実なら、近い将来、石油に依存した社会は成り立たないというデータでもある。

需要と供給のバランスの取れないエネルギー政策を取っていては、世界経済の整合性を失うだけでなく、文明の存亡すら危ぶまれる方向に進みかねない。よって環境啓蒙活動でノーベル賞を受賞したゴア氏も所属する米国民主党オバマ政権下では、化石エネルギーのように巨額投資を必要とし、いずれ枯渇すると言われているエネルギー政策を継続することは考え難い。

― 自己の他ブログサイトより転記 ―

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