2015年12月7日

COP21、温暖化以上に重要なトピックとは


■躍動するファイアボール

「温暖化」に疑問を投げかける一般市民の声が徐々に高まっていると感じる。以前の米国でもそうだったし、ここ豪州でもそう。欧州でも友人らが同様のことを言っている。

二酸化炭素に温室効果があってもなくても、それによる気候変動の範囲は、地球内部の熱の影響に比べれば極わずかに留まるというもの。

地上にいると大陸や島々は「不動」のものと考えてしまうが、地球の誕生から現在まで考えれば、静止した部分などどこにもなく、今もすべてがダイナミックに動いていることを思い出せてくれる。 

2015年9月8日

プレミアム商品券は「地方政府紙幣」


ほとんどの自治体が発効するにいたった「プレミアム商品券」。事実上、富裕層に与えられた「政府紙幣」となったようである。

最寄りの役所に1万円の日銀券を持って行くと、12千円の「○○市紙幣」と交換してくれる。その自治体内でのみの利用となるが、事実上、お金を1.2倍増にしてくれる魔法の政策である。

もちろんそれには大きなカラクリがあり、まずは、その「12千円札」にはお釣りが出ない。よって12,000円以上のまとめ買いができる人、または「ゆとり」のある人にしか意味がない。

2015年9月4日

中国は本気で市場を下支えしようとしていない― 株価頼みのG7経済に限界が訪れる時


■「株価依存」がもたらす致命傷

年前半、EUも量的緩和始めたことで、G7は足並みそろえて株価中心の経済政策となった。緩和マネーの流入で、必ずしも実態を反映するわけではないマネーゲームが、G7経済の牽引役を務めることになる。

ひと度、金融市場が混乱すると、株価頼みの経済ゆえ先行不安が台頭する。危機にいたれば、個人の金融資産は激減し、年金運用すら不安視され、自宅を始めとする不動産価値も下落する。G7諸国が歩む危険な賭けである。

2015年8月7日

日米の「国内回帰」がもたらす世界平和― SDR入りする人民元 3/3


■ドル支配下の「富と権力の固定化」

核軍縮を訴えて「ノーベル平和賞」を受賞したオバマ大統領。

その彼が、持てる力を使って世界平和を求めるのなら、米国の軍事力が相対的に増すばかりの「核軍縮、核廃絶」より、米ドルの一極体制に多少の「余裕」を与えることで、世界に多くの変化をもたらすことができる。

ドル基軸通貨体制は、米国が全世界からほぼ無制限に借金可能な体制へと発展している。これは米国はもとより、そこにぶら下がる国家、企業へも多大な恩恵をもたらしている。

しかしこれらが世界中で固定化し、それが権益、権威となって、持たざる者との間で絶え間ない紛争を引き起こしている。そしてなくならない貧困の種を今もまき続けている。

2015年7月27日

「人口減」に任せる国造り、平和で豊かな小国 – Revised


■国際競争で勝ち抜くのか、拡大路線からの大転換か

国家のダウンサイジングが言われている今の日本にとって、成長路線を諦めることが、「心地よい未来」につながるかもしれない。これは考え方によっては、国際競争における敗北宣言と取られかねないが、本来、国家・国民の幸せを他国との競争で測るべきでもない。

大企業優先型の成長路線は、永遠なる国際競争への道を意味している。GDPの拡大を目指し、未来永劫、国家・国民があまり得意ではない国際化路線を推し進めなくてはならない。

また同時に、新興国との熾烈な競争を意味する。あのエジソンのGEや、欧州フィリップスは、日本の発展で家電製造の第一線から身を引いた。IBMも、中国の台頭を見てパソコン製造から退いた。しかし彼らは今も、最先端技術で世界をリードし続けている。

2015年6月21日

「金・銀信望投資家」が望むゴールドスタンダード回帰― SDR入りする人民元 2/3


OPECからOGECへ?

リーマンショック以降、「金本位制回帰」が以前にも増して言われるようになった。しかし資源を巡って殺戮を繰り返す人類が、今さら「金争奪戦」に回帰するだろうか。

仮にそうなれば、世界の「富裕国マップ」に大きな変更が加わる。保有量ダントツの米国は、公表値が事実なら、他国が少なくとも半世紀は追いつくことのできない富を既に手にしていることになる。中国へも追い風となり、膨大な埋蔵量を誇る豪州や南ア、ペルー、モンゴル、北朝鮮などが富国入りを果たすだろうか。

これまで大まかなモノの値段は、石油の取引値によって推移してきた。人類が火を使って以降、「熱」、すなわちエネルギー利用が人間社会の発展に深く関与し、その利便性を飛躍的に高めた石油がモノの価格の「起点」になっている。

2015年6月19日

世界の金融システムに新たなステージ ― SDR入りする人民元 1/3


■新SDRを前に自由化される人民元

2015年はSDRの内容を再確認する年にあたる。IMF5年毎に、その構成通貨と比率を見直していて、今回は、2010年には見送られた人民元のSDR入りが言われている。

AIIBや一帯一路構想に見られる通り、この先も人民元の影響力は増す方向にある。人民元のSDR入りは、先進各国が中国との不毛な対立を避けるのと同時に、SDR基盤強化への貢献が期待される。

次世代SDRが発効されるのは20161月。それに向けた取り決めが今秋予定されているが、そのIMF会合に先駆け、人民元の自由化があるだろうか。

2015年1月6日

税の簡素化で国は変わる

■シンプルisベスト それは税も同じ

「通貨」は国家が持つ最大の権益。特殊な印刷を施した紙に、国が自ら信認を与え、人々はその「紙」とともに生涯を歩む。「税」は、その最大権益を操縦するツールとなる。

「税」は複雑であればあるほど、より広範囲かつ細かな部分で国の権益操縦が可能となる。逆にこれが単純明快、シンプルであったなら、国は多くの部分で権益操縦の場を失う。言い換えれば、国が権益操縦をあきらめる分、社会、国、世界が人々により近い存在となる。