5.「通貨の番人」から「為替切下げ業」へ看板を掛替えた各国中銀
バブル崩壊後の日銀に始まり、2008年の金融危機以降の米FRB、再度2013年以降の日銀、昨年以降の欧州中銀と、今のG7中銀は揃って「通貨切下げ競争」に邁進している。「通貨価値を守る」といった崇高な使命はもうない。
日米欧中銀は経済活性化に向け、「必要とされているところにマネーを行き渡らせる」との名目で利下げや通貨増発を行っている。その真意が何であれ、結果はみな揃って「自国通貨安」となっている。通貨安で業績低迷に苦しむ企業、生活消費財の高騰に苦しむ個人を横目に、各国中銀が、兵器商を含む輸出産業の業績を下支えする構図が明白である。