2010年9月12日

「子を見て親を知る」

シンガポールは大変好きな国の一つ。香港と並び、どちらも英国植民地支配の影響による秩序だった街並に好感する。

都市計画もさることながら、その厳格な“都市運営”に感心させられる。これは単にルール違反に対する罰則が厳しいということだけでなく、教育(disciplineに対する市民の心構え)が、いい意味で厳格なのである。

「子を見て親を知る」と言うが、面白いもので植民地支配にも同様のことが言えるのかもしれない。そう、シンガポールや香港の対照的な例が韓国や台湾。

日本と同様、韓国や台湾の街には雑居ビルが乱立し、無秩序なネオンが都市の品格を下げている。日本のようにパチンコや風俗が駅前を占拠することはさすがにないが、歩道上の身勝手な置き看板や放置バイクなどは、日本譲りの「都市運営」である。これらの多くは解放後に日本から入ったものだが、同化政策による日本式の植民地支配なくして、ここまでの影響はなかったであろう。

韓国に行き、ある観光地で入った店で、隣に座っていた日本人観光客の会話が印象的であった。私を見て、日本語を流暢に話すとは思わなかったのかもしれない。韓国の芸能人について(?)の話から、街で見るもの全般についての話しになり、「あれもこれも日本のマネばっかり」といった内容の会話。イギリス人がシンガポールや香港を旅行し、イギリス式の何かを見て、「イギリスの真似ばかり」などとは決して言わないであろう。

韓国人の友人達がみな口を揃えて言うことは、「同じ植民地支配されるのなら、(今となっては)イギリスやフランスにされればよかった」ということ。恐らく日本人でさえ、今の韓国や台湾より、シンガポールや香港のほうが、その街並はより魅力的であると感じているのではないだろうか。

仮に「韓国がフランスに植民支配」されたのなら、結果的には現在の南北分断もなかったわけであり、マカオがポルトガルの街並を有するように、同国もフランスの街並を誇っていたのかもしれない。

隣国にそのような国があったのなら、日本人にとってもより魅力的な週末旅行が楽しめたに違いない。もちろん、日本が江戸時代までの様相を呈していたのならきっと素晴らしく魅力的な国家になっていたと思うのと同様、韓国が李氏朝鮮時代のオリジナルなら更に良かったと思う。

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