2009年3月20日

人気シェフが作る電気自動車とグリーンエネルギー

時に人気シェフもレパートリーが尽き、一定期間、内にこもって研究に没頭することもある。人々はその人気シェフが開発、提供する料理を楽しみ、模倣してきたが、そのシェフが体調不良とレパートリー不足のため内にこもると、コピーシェフ達も一斉にレパートリーが尽いてしまった。さらにはコピーシェフらは、自らの実力不足を隠すかのように、影響力が弱まった人気シェフを一斉に批判し始めた。

現在の世界経済はこのような状態で、人気シェフの米国は、現在は単なる体調調整と新たな人気メニューの開発期間中であると私は考える。この世界不況が米国にとって初めての不況であるわけでもなく、そう遠くない将来(6ヶ月~2年以内)、人気シェフは模倣シェフ達が、最初は理解できない(かも知れない)新メニューを揃えて戻ってくるはずである。

過去の投稿経済ワールドシリーズ プレイヤーは復活を遂げる「アメリカ」と長い眠りから覚める「中国」できまり!の通り、現代の米国国民、企業、政府がこの場に及んで手をこまねき、それぞれの人生の貴重な時間を無駄に費やすはずもなく、後に振り返れば「あそこまで大騒ぎすることはなかった。でも、あの騒ぎがあったから世界はいい方向へ向かった!」などと話しているに違いない。

そこで新メインメニューは何と言っても代替グリーンエネルギーを含めた環境ビジネス。これはまさに人類の救世主だ。自動車産業はその一例でであるが、電気自動車は既存の自動車より遥かにシンプルな構造とのことで、米国では新たな自動車製造企業、それに関連する周辺ビジネスモデルが既に続々と生まれ始めている。

例えば「無料電動自動車ビジネス」はその一例である。ユーザーである個人に電動自動車を「無料配布」し、そのユーザーはガソリンスタンドの代わりに「バッテリー交換所」へ行く。ここで洗車機のような場所へ自走して入り、そこで地面の下から充電済みのバッテリーが出てきて、車体の中にある使用済みのバッテリーと交換。ユーザーはこの充電済みのバッテリーの使用料だけを支払うというビジネスモデルだ。さらにこのバッテリーは自宅の車庫では太陽電池を使って充電でき、夜間は逆に自宅の電力供給源とすることもできるそうである。

これが実現すれば、高度な技術や大きな資本を要する産業である、エネルギー産業や自動車産業に大きな構造転換が起こり、これまで参入することのできなかった個人や企業、国々に大きな参入機会が生まれる。(先進国としては非常に悪評である、日本の「電柱林と電線ウェッブ」がなくなるかもしれない!)

「人類の永遠の繁栄」を考えるとき、今回の経済危機は危機ではなく、繁栄維持のための「構造調整」でしかない。これまで環境問題を国家戦略として公にして来なかった米国や中国が、それを国家戦略に組み込み始めた今、日本も戦略的かつ大胆に政策をとっていくか否かでは、「未来地球図」が大きく変わってくる。

その総合力にかけ、最先端技術を持ちながらも後追いするだけに見える現在の日本。ここからの繁栄は、まさに次なるリーダーシップを選択する国民一人一人の意識と能力にかかっている。

― 自己の他ブログサイトより転記 ―

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