2011年8月22日

ギリシャの離脱は本当にあるのか

過去にヤミ起債や粉飾決算などで揺れた夕張市。同市がディフォルトに陥ったからと言って、日本国からの離脱を望む者がいただろうか。同様にEUの使命を失う事態に陥りかねないギリシャの離脱を、EU市民が容認するとは思えない。

私が以前から思うことは(過去に同様のことをECBへも書いているが)、通貨ユーロを一気にまとめるのではなく、先ずは財政状況に応じていくつかグループに分け、最終的に一つにできればいいのではないかということ。現在の収斂基準である対GDP比財政赤字などを基準にランキングし、通貨を分け、政策金利を調整する。

例えば、対GDP比財政赤字が2.5%未満の国であれば、A格としEuro Aを、2.55%をB格としてEuro Bを、それ以上であればCEuro Cなどとする。

重要なことはどの国もEuro Bから始めることである。開始年月を設定し、それまでの財務状況に応じてランキングを開始する。そしてギリシャ政府のようにEU市民を欺く行為が発覚すれば、関係者には厳罰な処分を持って対応することが必要である。

もちろんそう単純なことではないが、もしEUがこのような何らかの抜本的改革を行わないのであれば、言われているユーロ共同債が必ず必要となる。しかしこれは政治的、国民感情的に実現が難しく、2008年の金融危機を超えるようなショックでも起こらない限り難しいのではないか。