2011年4月13日

アーティストとプロの違い

一流のアーティストがベストセラー商品をデザインすることは稀だ。また優秀な科学者が起業し、大成功することも稀である。

政治も同様、素晴らしい政治理念と知識を備えただけの政治家では、後世を豊かにする一流の政治的結果を得ることは、やはり稀である。政治とは思想以前に、いかに他の権力者との調整が利くかが、最終的に政治的結果を得るものだからである。ここにアーティストしての思想家と、プロとしての政治家の差がある。

現在の日本において、そのような「政治力」を備えた政治家は皆無とであると言える。小沢氏はそれに近い存在であったかもしれないが、それもクリントン国務長官との面会を「忙しい」の一言で断った時点で、氏の政治生命は断たれた。氏は最終的に、日本で通ずる政治力に欠けていたということになる。

今後氏の復活(政治的台頭)があるとすれば、それは失敗に対する調整、すなわち何らかの形で、氏が米国への忠誠を表し、それが米国に受け入れられなくてはならない。それなしに氏の政治的台頭はまずあり得ない。

世界の歴史が示す通り、このような構造に変化をもたらすものは最終的には体制の破滅しかない。日本のような中途半端な民主政治は、中途半端なまま生き長らえ、その間、長期に渡り民を苦しめ続けることになる。非常に残念なことである。

― 自己の他ブログサイトより転記 ―

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