2011年4月13日

求められるのは”ナショナルレス”な人材

「インターナショナルな人材」とは何だろう。例えばある国際的な企業にとって、取引の多い国に精通している人材を指して言うのか、またはある企業が世界での飛躍を目指す上で、国際感覚の豊かな人材を指して言うのかでは大きな差が出てくる。前者が製造業・町工場型の企業であるとすれば、後者は商社型である。

一般的に町工場型企業は、日本国内を本拠地として地域雇用を基本としている。国や自治体からのサポートを受けることも多々ある。このような企業が販路を求めて海外に進出するのであれば、対象国の出身者か、それと同等の知識を有し且つ、基盤となる日本国内の地域、スタッフに対する深い理解力が求められる。

これに対し規模を問わず「商社型」の企業であれば、インターナショナルな人材に「日本文化の心得」なるものを求める必要性は小さい。「日本固有の常識」が、世界では返って邪魔になることすらある。

ここで必要なのはインターナショナルな感覚ではなく、相手の出身国や老若男女を問わず、誰とでも同じように接することのできる、言わば“ナショナルレス”な感覚。その人物の世界観、人生観の広さが重要である。

流暢なでなくとも、意思疎通が容易に行えるレベルの英語は重要である。逆にいくら流暢であっても、意志疎通が容易に行える「国際感覚」を備わっていなければ活動の場は限られる。グローバルな人材に求められる資質とは、ツールとしての言語力以上に、その人物の世界観が問われることになる。