2008年12月15日

アジアでのリーダーシップ ラストチャンスも逃してしまう日本

日本国政府のお金の使い方はまるで小学生レベルである。お金の使い方に責任を感じることがでない。国民から自動的に集まってくるお金は、「そこにあるから使いたい、使ってしまおう」といったレベルで、子供が誰かからもらったお金を、特に目的もなく使い切ってしまう様子を思い浮かべずにはいられない。

今でもよく耳にすることであるが、あのGHQですら、当時の省庁の権益を崩すことができなかったと言う。当時の省庁の権益、すなわち軍国主義時代の権益。この権益は組織を統括する軍が解体されたと同時に、各省庁へとそれぞれが引き継がれたことであると思うが、この既得権益こそが、今も国家を支配する構造である。

これは民主国としては極めてまれな構造で、民主国家としての基本構造が元々ないのが日本社会の特徴だ。これだけ国家間の競争の激しい時代、今となっては構造改革では不十分であり、必要なのは「新構造への転換」ではないだろうか。

今回の金融危機により、世界が大きく変貌するかも知れないというこの好機を、大変残念ながら、日本の政治家には掴むことができないと察する。週末の日中韓首脳会談でも、今であれば欧米の横やりを交わしながら、日本のリーダーシップで新たな枠組みを開拓できる絶好の機会であったと思うが、どうも「傷のなめ合い」で満足してしまった感が否めない。

今後日本に期待できることは1つ。オバマ政権が打ち出す政策に、少しでも多く、日本の産業が得意とする分野が盛り込まれていることを願うのみ。それが米国の傘の下にある現代日本の実態である。