2011年7月23日

衰えない影の支配権力 1

報道各紙が「首相、政権公約の見通し甘かった(と発言)」などと報じている。本当に「見通しが甘かった」ことが、政策等達成できない最大の理由なのだろうか。

ご存知の通り、国家は権力によって動いている。この権力が国民の総意に反して動けば、その分、国家の民主性は失われる。

フランス革命以降、欧米では「権力」は徐々に民の側に移ってきた。それは十分と言えるレベルではないであろうが、基本的な方向性は正しい。「基本的」としたのは、前世紀より拝金主義が席巻し始め、いわゆる「お上」とは違った別の権力が強さを増しているからである。

日本に目を向けると、「権力」が移る先は民ではなく、主に国と深いつながりのある組織、企業である。ここが欧米とは大きく異なる。外国から「日本株式会社」と呼ばれる実態である。

またメディアも、その最大使命の1つである「権力の監視」が、日本では機能していない。メディアが権力と共存関係にあるからだ。

「影の支配権力」。そんなものが存在すれば、それは民主国の大敵である。民主的に国家運営を進めることができないからだ。これは国民が大統領等、国家元首を選択することのできない日本において、国民生活が先進国並みに豊かになることはないと確信する部分でもある。