2011年7月12日

トップの影響力 3

日本の敗戦、韓国のIMFを考えると、現在、日本のほうがより長い期間、富と権力の固定が進んだ状態にある。大統領制を持たない日本において、民衆の力でこれを根こそぎひっくり返えすことは、まず成し得ない。日本人の政治への無関心さは、これへの諦めなのだろうか。

戦後の恵まれた時代と違い、今の日本には競争相手が存在する。今はもう欧米に甘えることはできず、隣国は後発、共産主義といった、日本の経済発展に「敵なし」などという環境ではない。日本全土が「インキュベーター化」していた時代は遠の昔に去っており、既得権者らがこの変化に適応できないのであれば、「果実」はいずれ枯渇するほかないのである。

民主国の首相としては考えられないほど孤立が進んでいる現在の菅政権。どこまで捨て身で既得権益を壊し、潰すことができるのか。それとも言われている通り、保身の為の政権維持を継続するのか。ここから先の日本を考えるとき、トップの影響力は計り知れない。