2011年7月26日

日本国民は企業、メディアの便利なツールか 1

ご存知の通り、日本の鉄道事業も元は国産ではなく、英国製機関車を持ち込むことから始まっています(1872年)。

当初は英国製をそのまま使用して営業。後に英国人技師を招き、大半の部品を英国より輸入して国内で生産、さらに改良型を開発して「国産技術」として国民に披露しています。電車技術はドイツがその始まりのようですが、日本においては米国製を輸入し営業にいたっています。

原発ビジネスはどうでしょうか。元来日本にその技術はなく、やはり米国製を持ち込んだのが最初です。その後GEが東芝などに技術供与し、国内で製造、「国産技術」とうたい、海外販売も手掛けています。

デザインを変え、一部新技術を付加すればそれを国産技術と呼ぶのか、あるいは基礎技術を刷新しない限り「改良型」と呼ぶのかで意見が分かれると思います。前者であれば日本はすべてが国産技術。後者であれば全てが外国技術の改良型ということになります。

我々の身の回りにある工業製品全て、外国の技術が基になっています― 冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ、コンピュータ、携帯電話、インターネット、GPS、自動車、鉄道、造船、鉄筋コンクリート建築、エレベーターなど。基礎技術はどれ一つ日本発のものはありません。全て欧米から取り入れた後に改良し、国産技術としています。さらに言えば、日本の政治システム、交通法規さえ欧州から学んだものです。スポーツもしかりです。日本でよく聞く言葉を使えば、「パクリ」ということになります。

「技術で稼ぐ日本」にとって、こうしたことは本来教育レベルで考察し、しっかりと理解していくべきことであると私は考えています。企業、メディアにお膳立てされた教育であっては、グローバル時代に必要な世界観を養うことができません。