2011年8月30日

グローバル化時代、最初の覇者は― 米国の侮れない危機管理行動 4/4

仮に米国が金本位制に戻らなくとも、中国が元と金の交換を開始すると発表すればどうなるでしょう。中国はその金の保有量からもより大きなリスクを伴うかもしれませんが、米国債、日本国債の売却と合わせて発表すれば、投資マネーは一気に中国に流入することになります。

中国の経済復興は地球規模の米国支配を終わらせる可能性があります。当然、これを支持するかしないかは個々の自由ですが、一つ言えることは、法的に中国が日本の政策に影響力を及ぼすことはできなくとも、米国にはそれ近いことができる、実際にしているということです。この先も米国が日本の完全独立を認めることなど決してなく、生きるも死ぬも米国次第といった構造があります。

王貴族が国家を形成してきた欧州。皇帝、将軍が多民族をまとめてきたアジア。両地域で暴発国が出現、自民族至上主義という歪んだ妄想に支配され、世界制覇を目論み、世界の和平を乱しに乱しました。その第二次大戦、最終的に多くを勝ち取ったのが第三勢力としての米国でした。混血、実力主義の新大国は、成金主義国へと成長し、世界の常識を大きく変えました。

その米国が今、自国通貨の過剰発券に直面しています。乱発とまでは言えませんが、これは株券同様にダイリューションが進み、ドル通貨の影響力が下がり続けることを意味します。そしてグローバル時代に飲み込まれようとしているのです。

パックスブリタニカに次ぐ、アメリカーナ。次はパックスEUかチャイナか。未だ非現実的な見方かもしれませんが、何があるのか分からないのが今の時代です。色々な可能性と選択肢に備える必要があると考えています。


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