2010年1月31日

政治の通信簿

政治に「通信簿」をつけることは大変困難なことであるが、民主社会においては「悪い政治」を数的に表すことは可能であると考えている。

その1つは、対総人口比で毎年どれだけの命が奪われているかを見ることである。例えば、政治が悪く「交通行政」が悪化すれば、毎年多くの交通事故によって国民の命が奪われる。また「警察行政」の悪化は治安の悪化として現れ、殺人などによる被害者数が増加する。さらに経済の低迷や医療、年金など社会保障の不安定化も、医療サービスが低下し死亡率が上昇したり、自殺者数の増加へもつながる。極めつけは戦争による犠牲者の増加だ。

あれだけの惨事となった阪神・淡路大震災でさえ犠牲者は約5千人。世界中であれだけ批判されたイラク戦争でさえ、犠牲者は約1万人。もちろん大きな犠牲である。しかしながら日本では、自ら命を絶つ人々が毎年3万数千人もいる。人口比率で見て、先進国中、断トツ1位である。2008年比は米国の2倍以上、英国の4倍近くと言うデータもある。

これは明らかに政治が悪い。結果、民主国家とは思えないほど社会が疲弊し、人々が希望を失っている。何をさておいても、人権、人命を大切にできない民主政治など成立しないのである。